風力発電普及の課題を学ぶ、高校生も受講
―自然エネルギー入門講座第4回を開催 1月28日―
ご夫婦で、また、将来を夢見る高校生等、思いがけず幅広い参加者で盛況の会場
講師陣の江川真理子さん(当会会員)、立命館大学助教授の山口歩先生(当会会員)
会員の江川さんから「風と風車」と題して、風力の原理、風車の種類、山形県立川町の風車による町おこし、北海道浜頓別町の市民共同風車など、自らコツコツと調査した結果を報告してもらった。
山口先生は、まず、電力消費の基本的なロードカーブ(負荷曲線)を描き、原子力発電がベース、火力・揚水が昼間ピークに対応する電力であることを説明。
太陽光発電は昼間に発電してピーク負荷に対応するので、業界や政策当局は比較的好意的だ。しかし、風力発電は、ヨーロッパのウィンドファームのように多くの基数が建設されると(発電量の変動幅が小さくなり)しかも昼夜にわたって発電を続けるのでベース電力の性格が強くなる。
従って、風力発電は原子力発電と競合することになり、厳しい抑制策が取られる。風力発電普及の取り組みは日本のエネルギー政策を変えるという大きな課題を避けて通れない、と問題提起された。また、最近の風力発電が大型化を追求する傾向について疑問を投げかけ、発電効率を求めてハイテク化することが風車を脆弱化させ、災害への抵抗力を弱める危険性はないか?風車の事業性の重要なポイントはライフサイクルをいかに伸ばせるかである。海外では、大型化の一方で小型風車が永く発電しつづけている例が数多くあることを紹介し、わが国にあった風力開発のあり方を模索する必要があることを指摘された。
今回は会員外からの参加者も多く、山口先生に熱心に質問する高校生の姿も見られた。
※受講できなかった方に朗報!(講義ビデオ+資料)を1,000円+送料で。