自然エネルギー市民の会 代表
和田武(立命館大学教授)
2004年7月18日、「自然エネルギー市民の会」が設立されました。アピオ大阪での設立総会には、準備委員会の予想をはるかに上回る130名もの市民が参加し、熱気溢れるスタートとなりました。ご参加、ご賛同をいただいた方々にお礼を申し上げます。
太陽光・熱、風力、小水力、バイオマスなどの自然エネルギーの普及は、地球温暖化の防止や資源保護にとって重要であるだけでなく、将来性のある産業を発展させ、やりがいある仕事を創出し、資源紛争のない平和な世界の創造に貢献します。このような自然エネルギーは、さまざまな形態でどこにでも存在しているため、市民を中心に地域の主体が普及するのに適しています。市民による普及は、自然エネルギーから得られる利益を地域に還元し、地域の自立や活性化をももたらします。
しかも、市民主導のほうが普及を促進することも国内外の事例から証明されています。総電力の20%近くを風力発電で生み出しているデンマークでは、風車の80%以上を市民が所有しています。ドイツでは、風力発電の設備容量が世界の3分の1以上にもなり、太陽光発電やバイオマス利用なども、最近、急速に普及が進んでいますが、市民による導入が盛んです。これらの国では、市民の積極的な取り組みを通じて、自然エネルギーへの社会の理解が深まり、市民による普及に適した制度が創られているのです。
日本は、多種多様な自然エネルギー資源を豊富にもっているにもかかわらず、太陽光発電以外の普及では大きく立ち遅れています。地球温暖化防止の国際的責務を果たせるように、そして子どもや孫たちの世代が美しい地球環境の下で健全な生活を送れるように、私たち市民が力を合わせて自然エネルギー普及を進めていきたいものです。
多くのみなさまのご協力とご支援を心からお願い申し上げます。